~考察~ ハラスメント ②ラジマガの読者はバカばかり

ラジマガの読者はバカばかり

 

私は一昨年の春からラジコンマガジンで連載を持たせてもらいました。読者プレゼント&アンケートのハガキに「面白かった記事」という項目があります。編集部ではこれを集計して、編集会議のときに発表します。

当初、私のコーナーは5位あたりが定位置でした。アンケートの上位は巻頭カラーの第一特集・第二特集・第三特集が占めますから、1色の連載ページで5位は良好な結果だと考えています。記事数は30近くあるのですから。

 

しかし、山鼻氏は執拗なまでに「アンケートには意味がない」と私に言い続けました。「タダで商品をもらおうとしている、浅ましくて低俗な奴等の意見でしかない」と言われたのは、2度や3度ではありません。

あるとき、1枚のハガキを渡されて「読め」と言われました。日本語がメチャクチャで何を言いたいのかよく分からない読者からのハガキでした。山鼻氏は「読者ってのはこんなバカばかりなんだ。だからアンケート結果に意味はないんだ」と主張しました。

 

私はこの段階で、山鼻氏が『以前にムック本を読まずにけなしていた』という事実は知りませんでした。もし知っていたら「アンケートが無意味だと言い続けるのは、Z君が倫理社会を執拗にけなしていたのと同じだ」と気づいたでしょう。

 

ちょうどそのころ、スタッフから山鼻氏に対する愚痴をしばしば聞かされるようになってきました。「山鼻は自分に都合の悪いことは、見ない・聴かない・考えないという性格だ」とか、「酒を飲んだとき“自分より有能な人間なんて一度も見たことがない”と自慢していた」とか……。とにかく複数のスタッフから反感をかっていることだけは間違いないようでした。

 

しかし、山鼻氏は最近のメールで「自分はスタッフ全員と仲良しだ」というようなことを書いてきています。彼は自分の言動について、不快に感じている人が存在するとは思っていないし、何を言ってもそれを信じる様子がありません。

 

締め切りが大変そうなとき、私は自ら手を挙げて編集部の仕事をサポートしようとしました。しかしこれは、裏目に出たようです。『こいつは下手に出ているから、何をやっても平気だ』という認識になったのではないかと想像しています。

 

「お前の代わりなどいくらでもいるんだ」「満足に仕事をしていない」と、面と向かって罵倒されるようになりました。

ラジマガでは取材へ行けば日当が出ることになっているのですが、「お前には日当は払わない。そういうことは俺に決める権限があるんだ」と居丈高に言われたこともあります。

近所で短時間の取材をする場合に、「今回の取材は楽なので、日当無しにしてくれないか」と事前に言われたのであれば、私は承諾したでしょう。

しかし熱中症になりそうな高気温のなか、三重県の屋外サーキットへ行った後で、居丈高に言われた言葉が「日当は払わない」です。

 

山鼻氏は自分に非がある場合でも、謝罪はしなくなりました。

私の出した原稿に「エンジンRCカーの燃料にはヒマシ油が入っている」というくだりがありました。すると「ヒマシ油なんて入っていないんだよ!」と延々電話で罵倒されたことがあります。長い罵倒を聞いた後で「エンジンメーカーの方が、ヒマシ油が入っていると話していましたけれど」と説明すると、しばらく沈黙した後で、謝罪もせずに話を切り替えました。

 

我慢していると、どんどんエスカレートしてきました。昨春、タミヤ主催のイベントに無断で私がエントリーされていました。何の相談もなく「エントリーしておいた」というメールが来たのです。私は諸事情で実家にいたのですが、仕方なく上京して参加しました。

イベント後、喫茶店でミーティングをしました。その席で山鼻氏から「Nさん(もう一人の参加者、山鼻氏とは初対面)には交通費を出すが、坂井には払わない。そもそもお前は今日なにか仕事をしたのか!?」と罵られました。私がその日にやったことは、N氏とまったく同じです。それに、少なくともミーティングは仕事でしょう。

一方的に呼び出し、罵るだけで、日当も交通費も払わないわけです。八重洲出版という会社が、こんな理不尽な理由で、「金を払わない権限」を編集長に与えているのかどうか、私ははなはだ疑問だと感じています。

 

こうした態度は私に対してだけではありません。編集会議の席で、山鼻氏が一人の外部スタッフを指差して、「お前みたいな人間はな!」と怒鳴りつけたことがありました。彼は社員ではありません。山鼻氏の部下でもなく、いわば取引先の相手のようなものです。

 その直前、『日本へ旅行に来る外国人のためのガイドブック』というようなものを読む機会がありました。「日本人に何か発言する場合、相手を指差してはいけない。日本においてそれは最大限の侮辱であり、ケンカを売っていると判断される」と書かれていました。私もその通りだと思います。

山鼻氏が、彼を指差して怒鳴りつけた理由は実に些細なことでした。

 

最初の9ヶ月くらい、私は編集会議に出ていましたが、こうした無礼な言動を見れば不快になるだけなので途中から出ないようにしました。私は淡々と自分の連載ページ『まるわかり講座』のテキストだけを書くことにしようと考えたのです。

 

「③相談もなく決まっていく仕事」に続きます。